【逆走事故】認知症や高齢だけが原因ではありません
ペーパードライバーからの脱出を応援している「せとぐる」です。
ニュース映像などで、車が道路を逆走し事故する様子をよく見かけませんか。
特に高速道路逆走での交通事故は、死に至る確率がグンと上がり大変危険です。
逆走の原因を、「認知症」や「高齢運転者」だけのものと思っている人が多いようですが、その考えは危ないですよ。
あなたが無意識にやっている運転のクセ次第では、いつ逆走運転者になってもおかしくありません。
認知症や高齢だけでなく、誰でも当事者になる恐れがある逆走をなくすために、今日から見直すべきあなたの運転のクセについてお話しします。
ただ、これは科学的な根拠に導かれた回答ではなく、筆者が普段運転するうえで考察した意見です。
トラックドライバー
全国の高速道路を走行中
全国のSA・PAに出没中
逆走につながるあなたのクセ
スーパーの駐車場で順路に従わないクセがある人は、要注意です。
あなたはスーパーの駐車場で、順路に従って走行していますか?
スーパーの駐車場で順路に従わないで走るクセがあるあなたは、今後逆走する危険性を持っています。
その理由をお話ししますね。
逆走とは?
逆走とは、決められた進行方向の逆方向に車で進むことを言います。
本来、車両は道路の中央から左の部分を通行しなけらばなりません。
車両は、道路(歩道等と車道の区別のある道路においては、車道。以下第九節の二までにおいて同じ。)の中央(軌道が道路の側端に寄つて設けられている場合においては当該道路の軌道敷を除いた部分の中央とし、道路標識等による中央線が設けられているときはその中央線の設けられた道路の部分を中央とする。以下同じ。)から左の部分(以下「左側部分」という。)を通行しなければならない。
高速道路や自動車専用道路などは、中央分離帯で進行方向を区切られていて物理的に対向する車線に入ることができない構造になっています。
普通に考えれば、構造的に一方通行となる道路なので安全な道路だと思いますよね。
しかし、ここに逆走する車が入ってくると逃げ場がなくなり、非常に危険な道路に様変わりするのです。
逆走がとても危険なことは分かりましたが、スーパーの駐車場とどういう関係があるのでしょう。
どうして逆走につながるのか?
スーパー駐車場の順路を守らないと、どうして高速道路を逆走する危険性が高まるんでしょうか?
それは、本線への誤進入につながるからです。
先に書いたように、高速道路はほとんどの場所が一方通行になっています。
車が対向すると危険だから、中央分離帯等によって明確に分離されているのです。
そのためサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)の駐車場では、決められた方向から入り決められた方向に出ていくようになっています。
じつは、このSA・PA駐車場から高速道路本線に戻る際に、間違った進行をしてしまい逆走することがあるんです。
その原因の一つが、スーパー駐車場での順路を守らないことにあります。
どうして逆走につながってしまうのでしょう。
高速道路への合流方法は こちらから
本線への入り口を見失う
順路に従わないクセが付くと、本線入り口を見失う危険性があります。
スーパー駐車場にも、順路はあります。
しかし、順路を無視して自身が行きたい方向に好き勝手に向かっている車をよく見かけます。
あなたは大丈夫ですか?
駐車場の中をぐるぐる回って、運よく空いた駐車枠を見つけて車を停め買い物をしたあなた。
戻ってきて駐車場を出るときに問題がなかったのは運が良かっただけです。
スーパー駐車場には、出入口が複数あるのが普通ですね。
入ってきたところから出ていくこともできますし、もちろん違う出口から出ることも可能です。
しかし、高速道路のSA・PA駐車場から本線に戻るためには
本線入り口
に入る必要があります。
この場合本線につながる進入路は1か所で、間違っても
本線から駐車場に入ってきた道
に戻って行くことはありません。
ここに入っていくと逆走になるんです。
普段スーパーの駐車場で順路に従わずに走行するクセがある人は、SA・PAでも順路に従わず駐車場内をぐるぐる回りがちです。
本線への入り口を見失わないようにするためにも、駐車場内で順路に逆らって走行するのはやめましょう。
標識・看板・表示を見ないクセがつく
順路に従わない人は、標識・看板・表示を見ないクセがつきます。
スーパーの駐車場には順路を示した標識・看板・表示などが設置されています。
あなたは、これらを意識してみていますか?
いつも通うスーパーなら、標識・看板・表示などを見なくても、出口が分かるでしょう。
それは、駐車場の形や出入口の場所などを覚えているからです。
しかし、初めての場所ならどうでしょうか?
スーパー駐車場に入ると空いている駐車枠を見つけるのに集中しがちです。
そうなると順路を示した標識などは目に入らなくなります。
通いなれたスーパーなら順路に従わなくても出入口を見つけられますが、初めての駐車場ならそうもいきません。
標識や表示を見ることなく車を走らせるクセが染みつくと、いざという時に進むべき方向が分からなくなり、焦りから間違った道路に進入する危険性が出てしまうのです。
一瞬で道路標識を見分ける方方法は こちらから
スーパー駐車場で順路に従わない人の特徴
順路に従わない人にはどんな特徴があるでしょう。
統計があるわけでないので筆者の思い込みが多いですが、おおむね次のような特徴があげられます。
罰がないとルールを守らない
罰があるルールには従い、罰がないとルールを守らない人が多いです。
スーパーの駐車場で順路に従わなくても交通違反にはなりません。
なので、駐車場の順路を無視して走行しても、罰則がないんです。
罰がないルールを守らない人は、駐車場の順路を無視して走行することが多いようです。
人より優位に立ちたい
他人より優位な立場になりたがります。
スーパーの駐車場では
- 店舗出入口の近く
- 屋根のある場所
- 停めやすい駐車枠
を巡って熱い戦いが繰り広げられています。
少しでも他人よりいい条件で駐車したくなり、いい条件の駐車枠を見つけると、ついつい順路を無視して先を急いでしまうのです。
自己中心的
順路に従わない人は、自己中心的な性格と言えます。
- 私ぐらい従わなくても問題ない
- 罰がないなら従わなくていい
- 相手が避けてくれたら問題ない
などと、安易に考えているのかもしれませんね。
大事なコミュニケーションの話は こちらから
高速道路(SA・PA)の駐車場事情
筆者が最近の高速道路で感じるのは
SA・PA駐車場内での逆走
が非常に多いということです。
基本は一方通行
高速道路のSA・PAは基本的に一方通行です。
写真は中央自動車道路上り線の、藤野パーキングエリア(藤野PA)です。
本線から青→のようにPAに入ってきて駐車したら、Uターンすることなく前進し、赤→のように
本線入り口から本線に進んでいく構造になっています。
とてもシンプルな構造なので、本線に逆走することはまずありません。
周回できる駐車場が増えた
ところが近年、駐車場内で周回することができるSA・PAが増えてきました。
写真は東名高速道路上り線の、足柄サービスエリア(足柄SA)です。
黄色→の部分は、周回することができるようになっています。
ただ、どこを通ってもいいのではなく、たいてい周回するためのコースが指定してあったり、そのコースが分かるよう標識や表示で示されています。
写真を参考に説明すると、黄色→のように周回し、赤→から本線入り口に進んでください。
間違っていけないのは、白→のように曲がることです。
駐車場の中で周回することに慣れてしまうと、うっかり順路を間違えて本線を逆走してしまいます。
この周回できるコースはとても便利でいいのですが、安全の面で言うと手放しで喜べない事情があります。
それは、次に示すドライバーが増えたからです。
無頓着に周回するドライバーが急増中
高速道路のSA・PA内を無頓着に周回し、逆走するドライバーが増えてきました。
写真は、東名高速道路上り線の、中井パーキングエリア(中井PA)です。
これまでSA・PAの駐車場を走行していて、目の前から車が対向してくることはほとんどありませんでした。
しかし、最近はよく出くわします。
写真で説明すると、黄色→の通り進行すればいいんですが、これを無頓着に白→のように曲がる人が増えているんです。
その大半は高齢者ではない、中堅のドライバーばかりです。
中には初心者とも思えるドライバーまでも、駐車場内を平気で周回、あるいは逆走しています。
そもそもそれだけでも危険なことなんですが、無頓着に周回や逆走をしていると進行すべき方向を間違え、本線入り口を間違える危険性があるんです。
駐車場から安全に出るコツは こちらから
逆走をなくすために
高速道路SA・PAからの誤進入・逆走をなくすためには、どうすればいいのでしょうか?
標識や表示を見て順路に従う
駐車場では標識や表示をよく見て、順路に従いましょう。
罰則があるかないかにかかわらず、走行する場所のルールに従って走行するクセを身につけておきましょう。
ルールが設けられているのには、理由があるはずです。
自分勝手な解釈をせずに、ルールを守るクセを身につけましょう。
進行方向を意識する
不注意による逆走を避けるコツは、進行方向を誤らないことです。
ぐるぐる周回したとしても、常に進行すべき方向を意識しておきましょう。
特に進入すべき道路、進入してはいけない道路を間違えないようにしましょう。
間違ったら停止し無理に進まない
逆走していることに気が付いたら、その時点で停止をして110番通報しましょう。
高速道路で逆走することは非常に危険です。
逆走に気が付いたら、パニックになるでしょう。
一番やってはいけないのは、そのまま進行し続けることです。
ハザードを点滅させる
安全な場所に車を停める
車から降りてガードレールの外側に避ける
110番通報する
インターチェンジ出口を間違えた時の対処法は こちらから
まとめ
高速道路を逆走する原因の一つは、順路に従わないあなたのクセにあります。
- 標識・表示に従い順路を守る
- 進行方向を意識する
- 間違ったら停止し無理に進まない
逆走の原因が認知症や高齢の場合、本人の努力だけで防ぐのは難しいかもしれません。
しかし、それ以外の多くの逆走は、運転者本人の注意次第で防ぐことができます。
まして、自分の間違いに気づいていながら、さらに逆走を継続することは故意であり犯罪です。
間違いに気づいたらすぐに停止し、無理に前進しないようお願いします。
高速道路の危険性を正しく認識して、より安全でより快適なドライブを楽しんでください。