【サンキューハザード】って必要?ペーパードライバーにはおすすめしない3つの理由
- サンキューハザードとは?
- サンキューハザードは必要?
- サンキューハザードのやり方を知りたい!
あるペーパードライバーさんから「道を譲ってもらったときにサンキューハザードをしようと思ったけど、上手くできなかった。やり方を教えて?」と相談を受けました。
サンキューハザードは、ドライバー同士のコミュニケーションとして認識されてきましたが、その必要性について賛否あるのも事実です。
そこでこの記事では、「サンキューハザード」の必要性や法的立場のほか、やり方についても簡単に解説しています。
この記事を読めば、「サンキューハザードだけじゃないハザードランプの正しい使い方」が分かるようになります。
- 現役トラックドライバー
- 年間約8万キロ走行
- ペーパードライバーを応援するブログ運営
※詳しいプロフィールです。
サンキューハザードは必要?
私はペーパードライバーの方に、いわゆる「サンキューハザード」をおすすめしません。
ええっ!どうしてですか?
それは主に3つの理由があるからです
ペーパードライバーにおすすめしない3つの理由
私がペーパードライバーの方に「サンキューハザード」をおすすめしない理由は、主に次の3つです。
- 法律上やる必要がない
- 案外キケン
- かえって迷惑
これら3つの理由を、一つずつ解説します。
①法律上やる必要がない
「サンキューハザード」は法律上必要とされている運転行為ではありません。
ハザードランプにはそれ相応の役割があり、法律上も備えるべき装置とされています。
しかし、「サンキューハザード」は本来の使用目的と違うので、法律上必要な行為ではありません。
ハザードランプを使う時って法律に書いてあるんですか?
そうなんですよ
ハザードランプの本来の使用方法は、この記事の後半部分で解説しますので、興味がある方だけご覧ください。
②案外キケン
「サンキューハザード」を行おうとして、危険な目に遭うことも少なくありません。
ほかの動作と重なりキケン
サンキューハザードを行う場面は
- 安全確認
- ハンドル操作
- アクセル操作
- ブレーキ操作
- 方向指示器
などの運転に伴う動作と重なることが多く、案外難しいんです。
特に
- 運転初心者
- ペーパードライバー
- 高齢運転者
にとっては難しく、本来やるべき運転操作がおろそかになり危険です。
たしかにハンドルを切りながらサンキューハザードを出すのは難しそう
他者の誤解によるキケン
記事後半に記載しますが、ハザードランプは近年様々な意図で使われており、それを期待している他者から誤解される恐れがあります。
例えば、「サンキューハザード」したつもりでも、後続の運転者が『緊急事態』と誤認して急ブレーキを踏むことがあるのです。
あわててブレーキを踏むと 追突事故につながりますよね
お礼を伝えるつもりだったのに、「サンキューハザード」が原因で後続車が追突事故を起こしてしまえば、やるせない気持ちになりますね。
③かえって迷惑
走行時にハザードランプのスイッチを押すことは、簡単でありません。
②で記載したとおり、「サンキューハザード」を行うのは他の運転行為と重なることが多く、案外難しいんです。
運転に不慣れなペーパードライバーの方がスイッチを押そうとして、車がスムーズに進行しないと、かえって周りに迷惑をかけることがあります。
気持ちはありがたいんですが 自分の運転に集中してほしい場面も多いんです
サンキューハザードとは?
道を譲ってくれた時に謝意を表すためのコミュニケーションとして点滅させるハザードランプを、「サンキューハザード」と呼んでいます。
そもそもハザードランプって何ですか?
ハザードランプ
ハザードランプは「非常点滅灯」とも呼ばれ、非常により車を駐停車させることを周りに知らせるために点滅させる灯火です。
ハザードの定義
ハザード(hazard)は危険を表す言葉ですが、「偶然」とか「運」という意味が含まれているそうです。
つまりハザードとは、「予期しにくい危険な状況」ということになり、「非常事態」と定義できそうです。
そもそも車運転による事故の危険全般をハザードと呼ぶようですね
例えば故障やガス欠の時などは「非常時」と言えるでしょうが、法律上ハザードランプを作動させる義務がある場合はいつなんでしょうか。
法律上の立場
ハザードランプ(非常点滅灯)の点灯を法律で義務付けしているのは、次の2つです。
- 夜間に幅員が5.5メートル以上の道路に駐停車するとき
- 通学通園バスが 小学校の児童 生徒又は幼児の条項のために駐停車するとき
ママさんが点灯させるなら①の場合だけですね
合図
ハザードランプは道路交通法で定めた「停止合図」には該当しません。
車両の運転者は、左折し、右折し、転回し、徐行し、停止し、後退し、又は同一方向に進行しながら進路を変えるときは、手、方向指示器又は灯火により合図をし、かつ、これらの行為が終わるまで当該合図を継続しなければならない
停止も合図が必要って書いてありますよ?
この停止合図は 制動灯(ブレーキランプ)が点灯することだから ハザードランプのことではありません
灯火
ハザードランプは自動車の灯火類の一つで、車検の時に重要な「保安部品」に当たります。
- 灯火の色 橙色
- 個数 左右各1個以上
- 点滅 60回以上~120回以下
濫用・悪用しないことが大切
ハザードランプの点灯を義務付けしている場面は先に書いた2つですが、それ以外にも
- 道を譲ってくれた時のサンキューハザード
- 駐車を開始するときのサイン
- 渋滞を後続車両に知らせるサイン
- 緊急車両に道を譲るサイン
などのケースで点灯させる人を見かけます。
これらは「善意」から始まった行為であり、法的な義務はなく、同時に直接的な禁止規定もありません。
ハザードランプは本来非常時の灯火でありますから、使用方法をいたずらに拡大せず濫用・悪用がないよう気をつけましょう。
渋滞を知らせるハザードランプ点灯のやり方
渋滞を知らせるハザードランプの点灯は、追突を避けるために推奨する方もいるので、そのやり方を解説します。
①渋滞に気づけば素早く後方確認
どんな時でも後方の安全確認をするクセをつけておきましょう。
②アクセル・ハンドルを一定に保つ
筋肉の動きや関節の角度を意識すれば、アクセル・ハンドルを一定に保ちやすくなります。
③スイッチの位置を確認
ハザードランプのスイッチを一瞬で確認しましょう。
確認できればすぐに視線を前方に戻しましょう。
④運転姿勢を保ったまま手をスイッチの元に
スイッチ押下の空振りを防ぐために、スイッチ近くに手を添えましょう。
手を添えることで、運転姿勢の崩れも防止できます。
⑤ハザードランプのスイッチを押す
人差し指等でスイッチをしっかり押しましょう。
⑥点滅を確認してからブレーキを踏む
ハザードランプの点滅を確認してから、ゆっくりブレーキペダルを踏みましょう。
⑦余裕がないときはハザードランプをあきらめる
以上の流れにも一定の時間が必要です。
余裕がないときには無理にハザードランプを点滅させようとせず、ブレーキペダルを踏み減速しましょう。
渋滞を発見した場合
- 安全確認
- ハンドル操作
- アクセル操作
- ブレーキ操作
がきちんとできていれば、必ずしもハザードランプの点滅は必要ありません。
まとめ
ペーパードライバーの方は、無理に「サンキューハザード」を行う必要はありません。
サンキューハザードをおすすめしない理由は
- 法律上やる必要がない
- 案外キケン
- かえって迷惑
だからです。
ペーパードライバーの方にやってほしいのはむしろ
- 確実な安全確認
- 適切なアクセル操作
- 正確なハンドル操作
- 余裕のあるブレーキ操作
- 適正な方向指示器
です。
サンキューハザードが善意から行われていることは知っています。
しかし、ペーパードライバーの方はまずご自身の安全に気を配ってください。
そのことこそ、周囲の方への気配りになります。
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