【誤解です!】前向き駐車からバックで出るとき危険なのは内輪差じゃない
- バック駐車が苦手
- でも前向き駐車だとバックで出るのが大変
- バックで出るときも内輪差に注意するの?
前向きに駐車していた車をバックで出す際に、「内輪差」ばかり気にしているとかえって事故を起こしかねません。
この記事では、ペーパードライバーに誤解が多い「内輪差・外輪差」の特徴を図で説明し、バックで出るとき外輪差に注意すべき理由を解説しています。
この記事を最後まで読めば、「コンビニで推奨されている前向き駐車から安全にバックで出るための手順」が分かるようになります。
前進とバックでは車の曲がり方が違うんです
それを知らないと事故を起こしますよ
- 現役トラックドライバー
- 年間約8万キロ走行
- ペーパードライバーを応援するブログ運営
※詳しいプロフィールです。
バックで出るときは外輪差に注意する
前向き駐車からバックで出るときに注意すべきなのは、外輪差です。
あなたはこれまでに「車で曲がるときには内輪差に注意する」と指導されたことがありませんか?
曲がるとき内輪差に気をつけるのは当然でしょ?
それは前進するときのことであって、バック(後退)するときではありません。
前進するときとバックするときで、注意すべき場所が変わるんです。
内輪差と外輪差について説明しながら解説します。
内輪差と外輪差
内輪差とは、車両がカーブを曲がる際に回転する中心側(内側)の前輪と後輪が描く円弧の半径差を言います。
いっぽう外輪差とは、 車両がカーブを曲がる際に回転する外側の前輪と後輪が描く円弧の半径差を言います。
自動車が左カーブを曲がるとき、ハンドルの動きに連動した前輪が大きな円弧を描きながら進むのに対し、後輪は自分で向きを変えることなく前輪を追いかけ、小さな円弧を描きながら進むのです。
外輪差に注意すべき理由
バックで出るとき外輪差に注意すべき理由は、前進とバックで曲がり方が違うからです。
一緒じゃないんですか?
進行方向を基準に考えてみましょう。
バックのときはおしりが振られるように曲がる
車は、前輪が舵を切って曲がります。
言葉ではイメージしにくいので、図をもとに比べてみましょう。
前進で曲がるとき、前輪が進行方向に向きを変え車を引っ張るので、頭から突っ込んでいくような動き方になります。
しかしバックで曲がるときは、進行方向に対して後ろ側にある前輪が舵を切るので、まるでおしりが振られているような動き方になります。
どちらの図も左上の方向に曲がろうとしています
でも 車の動き方が違うでしょ
ホントだ 前輪が外側に膨らもうとしてる
外輪差で衝突するのは前輪側
前進で曲がるときは、前輪が通ったあと後輪がその内側を通ろうとするので、内輪差で衝突しやすいのは運転席よりも後ろ側です。
しかしバックで曲がるときは、後輪が通ったあとを前輪が外側に膨らみながら通ろうとするので、外輪差で衝突しやすいのは運転席より前方の前輪側です。
理屈が分かったからもう安心ですね
ところがこれらの違いを知っていても 事故を起こしてしまう理由があるんです
バック出庫時は前輪側の安全確認がおろそかになる
前向き駐車からバックで出ようとすると、車の後ろの方が気になるのは当たり前です。
しかし、バック出庫時は前輪が外側に膨らんでいるんだからそちらをしっかり見ないといけません。
進む方向と逆だから 確認がおろそかになっちゃうんですね
ただでさえ安全確認が不足しがちな前輪側での外輪差に注意していないと、バック出庫を安全に行うことはできません。
バック出庫の手順
前進駐車からバックで出る方法を、順を追って説明します。
安全確認
動き出す前に周囲の安全確認をしましょう。
- 降車⇒周囲を観察する
- 運転席⇒前後左右・通路の人や車
- サイドミラー⇒タイヤの位置
- ルームミラー⇒真後ろの安全
まずは安全確認が大切です。
フットブレーキを踏む
全体の安全確認が終われば、右足でしっかりフットブレーキを踏みましょう。
ブレーキペダルをしっかり見ながら踏むと、アクセルと踏み間違えることがありません。
シフトレバーをバックに入れる
フットブレーキをしっかり踏んだまま、シフトレバーをバックに入れます。
アルファベットのRが、バックの位置になります。
パーキングブレーキを解除する
シフトレバーがバックに入ると、パネルのRが点灯し警告音がピーピーとなり始めます。
バックギアが入ったことを確認してから、パーキングブレーキを解除します。
フットブレーキを踏む足が弱いと車が動き始めるので注意してください
フットブレーキを徐々に緩める
まわりの安全を確認しながら、フットブレーキをゆっくり緩めて車を進行させましょう。
後輪が隣の車両のふちに到達するまでハンドルを切らない
隣に車や障害物があったとして、後輪がそれらの縁にまで到達すればそこからハンドルを切っても内側はぶつかりません。
駐車枠からバックで出るときは、隣の車や障害物の縁を後輪が横並びになるまで、ハンドルを切らずまっすぐさがるといいでしょう。
ハンドルを切る
バック走行中進行方向に目を向けることは当然ですが、車体前方の安全確認も欠かせません。
前進駐車からバックで出るときにハンドルを切れば、前輪が舵を切り車体前方が大きく外側に振り出します。(外輪差)
車体前方で発生する外輪差に十分注意して、隣の車や障害物に車体をぶつけないよう気をつけましょう。
通路に出れば完全に停止する
車体が駐車場の通路まで完全に出ればいったん完全に停止しましょう。
周囲の安全をしっかり確認し、シフトレバーを「D:ドライブ」に入れて前進して下さい。
バック駐車の詳しい解説は下のリンクから読むことができますよ。
バック出庫のコツ
バック出庫をより確実に行うためのコツを、3つ紹介します。
①バック出庫でアクセルを使わない
オートマチック車は、クリープ現象と言ってアクセルを踏まなくても前進・バックする性質があります。
あれクリープ現象って名前があるんですか
駐車場からバックで出るとき、速い速度は必要あありません。
クリープ現象をうまく活用すれば、アクセルペダルを使わなくてもバック出庫が可能です。
②右足をブレーキペダルの真上
右足はブレーキペダルから移動させないでください。
右足は常にブレークペダルの真上に位置させて、いつでもブレーキを強く踏めるようにしておきましょう。
③不安な時は停まる
バック出庫時は、進行方向ばかり見ているわけにいきません。
あらゆる方向の安全確認しようと首や頭を振っても、間に合わず不安になるときがあります。
そのような時はいったん車を停止させ、周りの安全をしっかり確認しましょう。
コインパーキングよりも便利でお得な駐車場が探せるの知っていますか?
これを知ってれば、観光地の満車も怖くありません。
まとめ
- 前進駐車からバックで出るときは外輪差に注意しましょう。
- 外輪差とは、 車両がカーブを曲がる際に回転する外側の前輪と後輪が描く円弧の半径差を言います。
- 外輪差に注意すべき理由は、前進とバックでは曲がり方が違うからです。
- バック出庫時は進行方向と反対の前輪側で外輪差が発生しているにも関わらず、そちらの安全確認をおろそかにしがちです。
- 前進駐車からバックで出るときは、進行方向の安全確認とあわせて前輪外側の安全確認もしっかり行いましょう。
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